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NHKテクノロジーズと22.2マルチチャンネル音響対応
MPEG-H 3D Audio(Level4)制作/配信/受信システムを共同開発

2022年8月2日
株式会社スピンデジタルアジアパシフィック



 株式会社NHKテクノロジーズ(以下:NT)はSpin Digital Video Technologies GmbH及び 株式会社スピンデジタルアジアパシフィックと共同で、22.2マルチチャンネル音響(以下22.2ch音響) に対応する、MPEG-H 3D Audio(Level4、オブジェクトベース音響方式)フォーマット(*)を追加した、 8Kリアルタイム エンコーダー/デコーダー/プレーヤーソフトウェアを開発しました。 8K映像とともに22.2ch音響のMPEG-H 3D Audio音声をクラウドサーバー経由で複数の遠隔地で受信し、 高音質と高臨場感を保ったまま受信サイド毎に任意のスピーカーレイアウトに変換して再生することが可能となりました。 制作ツールとしてフラウンホーファーIISの22.2ch音響に対応したMPEG-H 3D Audioオーサリングソフトウェアを DAW(音声編集ソフトウェア)プラグインとして使用し、 これまでと同等の制作環境でMPEG-H 3D Audioファイルを作成可能です。
 NTはMPEG-H 3D Audioの制作から配信まで一体としたサービスをより多くの方にご利用いただき、 22.2ch音響をはじめとしたイマーシブオーディオの高い没入感と臨場感を、身近に提供いたします。

(*) MPEG-H 3D Audio(ISO/IEC 23008-3)はISO / IEC MPEG (Moving Picture Experts Group)によって開発された国際標準規格です。

開発詳細


22.2ch音響対応 MPEG-H 3D Audio 8Kリアルタイムエンコーダー/デコーダー

 スピンデジタル ソフトウェア「8K Live Encoder」、「8K SpinPlayer」の音声フォーマットに MPEG-H 3D Audioを追加、Level4をサポートすることで、 最大で22.2ch音響と4つのオブジェクトを送信/受信可能です。 また受信側のレンダリング機能により7.1.4ch、5.1.2chなど様々なスピーカーレイアウト、 バイノーラル音響(実装予定)で視聴が可能となるほか、言語音声をオブジェクト音声として指定することで、 受信側で言語切り替えが可能な多言語サービスを提供します。


制作ツール

 一般的なDAW(音声編集ソフトウェア)でプラグインとして使用可能なMPEG-H 3D Audio Level4 対応のオーサリングソフトウェアを使用することで、これまでの制作環境を大きく変えることなく、 MPEG-H 3D Audioファイルの作成が可能になります。このソフトウェアはフラウンホーファーIISの 協力のもとに実現しました。

今後の展開


NTは、MPEG-H 3D Audioの制作から配信/受信までが一体となったサービスを展開していきます。

 MPEG-H 3D Audioネットワーク配信システムの更なる開発を継続し、22.2ch音響などの立体音響の高音質、 高臨場感を保ったまま、視聴環境に適した立体音響を視聴者のみなさまへ送り届けます。 そして、より多くの方々に立体音響の素晴らしさを体感して頂くためにも、 対応デバイスの拡大(サウンドバーやAVアンプ、汎用PCやタブレット、スマートフォンアプリケーションなどへの拡充)、 制作ツールのユーザービリティや拡張性をより向上させてまいります。

お問合せ

本開発に関するお問い合わせ先

株式会社NHKテクノロジーズ
メディア技術本部 番組技術センター 制作技術部 音声 寺田 淳
Email:terada.a-ti7(at)nhk-tech.co.jp  ((at)を@に直してご連絡ください)

デジタル開発技術本部 企画・推進部 事業開発 和田 浩二
Email:wada.k-cz6(at)nhk-tech.co.jp  ((at)を@に直してご連絡ください)

株式会社スピンデジタルアジアパシフィック サポート部
Email:support(at)spin-digital-ap.com  ((at)を@に直してご連絡ください)


スピンデジタルアジアパシフィックへのお問い合わせ

○スピンデジタルについて

 スピンデジタルは次世代の超高品質ビデオアプリケーション向けの高性能ビデオコーデックを開発しています。 スピンデジタルのソフトウェアソリューションは、非常に高い解像度(4K、8K、および16K)、 高ダイナミックレンジ、高フレームレート、広い色域、360°ビデオおよびバーチャルリアリティなど、 最新の画像および強力なビデオ処理を必要とするメディアアプリケーションを可能にします。 ベルリンと日本(東京、大阪)に拠点を置き、国際的なB2B環境で事業を展開しています。 世界中の顧客やパートナー、及び、様々なマーケットにその技術を提供しています。
スピンデジタルアジアパシフィック:https://www.spin-digital-ap.com


○フラウンホーファーIISについて

 フラウンホーファーIISのオーディオ・メディア技術部門は、30年以上にわたり、 オーディオコーディング分野と映像制作分野においてグローバルな規格と技術の発展に寄与してきました。 mp3の開発をはじめ、AACの共同開発やデジタルシネマ・イニシアティブ(DCI)の試験計画を経て、 現在、ほぼすべての家電機器、パソコン、携帯電話にエアランゲン発のシステムとテクノロジーが搭載されています。 一方、シリーズ最高のメディア技術となる新世代のMPEG-H Audio、xHE-AAC、EVS、LC3/LC3plus、 Symphoria、Sonamic、upHearなどが、ユーザー体験を新たな高みに導いています。 常に市場の需要をふまえながら、フラウンホーファー IISは記憶に残るテクノロジーを開発します。
フラウンホーファーIIS:https://www.iis.fraunhofer.de/ja/ff/amm.html